骨董品の鑑定結果

昔祖父がまだ生きていた頃は様々な骨董品や芸術作品を集めるのが趣味だったようで祖父の家には様々なものが置いてありました。
子供ながらにそれを壊してはいけない、落書きをしてはいけないと言ったことはわかっていたのですが、祖父はかなりその作品たちに愛着を持っているようで大切に大切にしていました。

しかしある日その話を同級生にしたところ、同級生のお父さんが芸術作品には目がなく自分で鑑定ができるほどの知識を持っているということだったので祖父の家まで作品たちを見に来てもらうことになりました。
祖父は大切に育て上げた自慢の息子を見せるかのように胸を張って作品を並べていたのですが、同級生のお父さんはそれを見た時に一瞬顔が曇って、それから申し訳なさそうにこの中に本物の一つもありませんと言ったのです。祖父は激怒したのですが、それを絶対に認めたくなかったようで実際に鑑定を受けに行き、全てが偽物であったということが判明しました。

偽物だけの美術館に行きたがっていた妻をみて、思い出した話でした。